アオザイ通信
【2002年7月号】

ベトナムの現地駐在員による最新情報をお届けします。

春さんのひとりごと

<ベトナム帰国後日談>

熊本に帰った後は奥さんの体調が芳しくなくて、最初風邪を引いているものと思い込んで、点滴や風邪薬を飲んでしまいました。それでもずっと同じような状態が続き、日本では全然良くなりませんでした。

ベトナムに帰ってすぐお医者さんに良く調べてもらったら、何と!「5週目に入った赤ちゃんが出来ている」と言われて驚きました。

予定では順調に行けば、11月半ば頃に産まれるそうです。私もいよいよ「トーチャン」と言われるのかと思うと、サイゴン川に向かって飛び込みたくなります。

どうりで具合が良くないはずでした。これがベトナムでしたら吐き気がするというだけでピンと来るんですが、如何せん日本にいた時、同じような症状の風邪にオフクロがかかっていたもので・・・・

というわけで私もとうとうベトナムでとうちゃんになることになりました。


フーンさんのニッポン日記A

2002年3月5日(火)>ベトナム発→日本へ その1

飛行機は初めてではないけど、日本行くのは初めて。タンソニヤット空港には夜9時半に着く。ベトナム人が見送りにいっぱい来ている。空港に入るまでその人ごみを押しのけて行くんだけど、みんなが私を見て「あの日本人のあとを歩いて行くのはベト僑だろう?」と話しているは可笑しいけど、春さんはさっさと先に歩いて行くので、私もその後に付いて行く。

大きいバッグを預けて、小さい手荷物だけになり軽くなってホットした。そしてしばらく出発まで待合室で待つ。日本に帰る人たちが今日は多い。それも若い日本人の人たちが多い。みんなベトナムの観光から帰っているような服装をしている。この人たちみんなが、私と同じ飛行機で日本に帰って行くのね。

みんな日本のどこに住んでいるのかしら?私の知っている日本の街の名前は「トウキョウ・オオサカ・コウベ・キョウト」くらいだし…。春さんの生まれた「クマモト」はどんな所かしら?イノシシが今でも出るような、ベトナムのサイゴンよりもずっと田舎だと、いつも私に言うけど本当かしら?

11時前に案内があり、みんなが入り口に向かうので、私達もそちらに向かった。手荷物をX線に通す検査の所で、男と女の2人の係員が居て、じっと前の人の荷物をX線に通して見ていた。前の人はそのまま荷物を自分で拾い、そのまま先に歩いて行く。

いよいよ私の番・・。たぶん何も問題はないわ…と思って荷物を取ろうとすると、それより早く係員が荷物を先に取り、「中を開けて見せてくれ!」と言うじゃない。前の人はそのまま行ったのに、何で私の時に調べるの?カバンを開けると、「あー、これはダメだ!」と言うからびっくり!

このカバンには、ベトナムで買ったヌックマムや乾燥した果物を入れていたのに、「乾した果物のほうはいいが、瓶に入っているヌックマムは機内に持ち込みはダメ!」と言うじゃない。え〜ん、泣きたくなって来た。せっかくスーパーで買って来たのに、ここで取り上げられてしまうの〜…。

「預け荷物にして、その中に入れておけば良かったのに…」と係員から今さら言われても、遅いじゃない!どうしよう…。春さんのほうを見ると「彼女はこのヌックマムが無いと、日本では何も食べるものが無く死んでしまうから、今回は許して上げて!」と言ってくれた。

それを聞いて、二人でしばらく相談し始めた。

おお、どうしよう、私の命をつなぐヌックマム無事に持っていけるのかしら?



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