アオザイ通信
【2004年3月号】

ベトナムの現地駐在員による最新情報をお届けします。

春さんのひとりごと

<トリインフルエンザのその後について>

 ここベトナムでは2月半ばまでは連日一面に、トリインフルエンザの記事が掲載されていましたが、ようやく最近はこの件に関しての記事がパタッと少なくなりました。ここ最近はこちらでも、入院患者や感染者のことは報道されてはいませんので、今回の病気もようやく収まりつつある段階になって来たということでしょうか。 

 そんな中に2月23日、サイゴンで日本国領事館主催のトリインフルエンザに関する説明会がありましたので、それに参加して来ました。報告者はハノイから来た日本人の医務官でした。 

 報告者によると、今回のトリインフルエンザは東南アジアでは6カ国に及び、そのうちタイ国だけで遺棄・焼却したニワトリは2,700万羽、 ベトナムだけでも3,000万羽というもの凄い数に上ったとのこと。 

 まだワクチンも開発されていない現状では、個々人が田舎では生きたニワトリや、生きたニワトリを売買している市場には近づかない。 外から帰ったら手洗い・ウガイをこころ掛ける ...・などしか、今のところは万全の対策はないとのこと。 

 今後の状況については昨年のSARSと同じく、今回のトリインフルエンザも気候が暖かくなれば収まって来る可能性が大きいが、まだまだ確実なことは言えないということ。WHOもこの1・2年では、このインフルエンザは退治できないだろうと予想していることなどが報告されました。 

 そして今ベトナムは、以前ほどは目立った入院患者も死亡者もいないとのことですので、ようやく小康状態に入ったと推測されるとのこと。まあこのベトナムでは今回のトリインフルエンザも、一息ついて休憩しているというところでしょう。 

 実際サイゴンの街中の様子は、今回の件で以前と変わったこと言えば、小さい店やレストランで、ニワトリの肉料理やタマゴを使った料理が食べられなくなったというだけで、ベトナムの人たちみんなはふだんと変わらずノンビリと生活しているのですが。 

 そして3月3日の新聞には、3月5日からようやくホーチミン市内では熱処理された鶏肉が販売される予定であると(ベトナムの予定はいつも予定だけのカラ振りに終ることも多いのですが)出ていましたので、いずれニワトリのタマゴが売られて、私の大好きなタマゴ焼きが食べられるのももうすぐのことでしょう。 

 まあしかし奥さんは「店にすぐタマゴが売りに出ても、しばらくの間は買わないほうがいい。どうせそんなタマゴは、古いタマゴに決まっているから」と言いますので、実際口に入るのはまだ遠のきそうですが。 

 そんな中に先日また急に、2日ほど38度の熱が出て咳もひどかったので、時期も時期であり「スワ!いよいよ日本人初のトリインフルエンザにかかったか?」と心配しました。前回のSARSの時期には、 熱が出た時に知り合いの先生に連絡したら、「あんたはいつも寝る時にはパンツ一丁だけというから、サイゴンの夜中や朝も時には冷えることもある。おそらくただの風邪だろう」と簡単に診断を下されました(実際すぐ治ったので正しかったんでしょう)。 

 しかし私もここ最近はトリ肉も食べないし、ニワトリに近づいたこともないので、(まあ今回も大した病気ではなく、いつものただの風邪だろう)と思い、市販の薬を多量に飲んだら、3日目くらいには熱も下がってなんとか収まりました。 

 昨年はSARS、そして今年はトリインフルエンザ、海外にいると最近はいろんな病気に遭遇します。しかもこういう病気は症状が熱や咳など、似ている症状が多いだけに大変困ったもんです。しかし昔の風邪(?)しか知らない私の体は、そういう新しく出現した病気とは無縁に生きてくれていますので本当に助かります。 

 しかし以前は風邪など引くこともなかったのに、最近は毎年引いているので徐々に体力が落ちてはいるのだろうなと思います。いずれにしても今は、大きな病気をあまり体験することもなくここまでくることできた体に産んでくれた 両親に、ただ感謝するだけです。

春さんは1997年春よりホーチミンに駐在しています。今ではすっかり現地の人となって、見分けもつかなくなっています。春さんに質問や相談があればメールをお送りください。
info@te-campus.com ※件名を「春さんに質問!」にしてくださいね。



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