春さんのひとりごと
<日本語スピーチコンテストに向けて>
サイゴンでは、一年に一回の恒例になっている行事が三つあります。日本領事館主催の「新年会」と、日本商工会とVJCC(ベトナム・日本人材協力センター)共催の「日越歌合戦」、そして日本語教師会主催の「日本語スピーチコンテスト」です。
新年会と日越歌合戦は、残念ながらまだ私自身は一度も出席していませんが、スピーチコンテストの開催の時には、今まで極力出席して来ました。2年前までは毎年11月に開かれていましたが、昨年からは毎年5月の開催になりました。
当日はサイゴン市内にある大学や日本語学校から選抜された15名のベトナム人の日本語学習者が、日本語のスピーチ能力を競い合います。スピーチ発表の最初と後半には、各学校から志願したグループによる歌や踊りや空手の演舞などが披露されます。
私は時に目の前で流暢に話す彼らの日本語の発表を、目をじっと瞑って聞きながら、(よくぞここまで頑張ったものだな〜)と、こころから感心したことでした。それくらい日本語が達者な人が事実いるのです。
そしてここまでのレベルまで到達するには、さぞ相当な努力を要しただろうな〜と想像しました。そして私はこのスピーチコンテストを聞いた日は、一日中気分が爽快になるのでした。
ですから今まで私はあくまでも観客の一人として、この「スピーチコンテスト」に参加していたのでした。それが今年から、ふとしたことから私もこのコンテストを実行する側の一員として、微力ながらお手伝いさせて頂くことになりました。ちなみにこれを実行しているスタッフたちは、全員がボランティアでの参加です。
その会合が先日ありまして、今まで運営に携わっていた人たちからいろんな話を直接聞くことが出来ました。それによりますと、このコンテストは最初1995年からスタートして、当時は一人の持ち時間は決めていなくて、発表も朝8時から昼の12時過ぎまでやっていたということでした。
しかし今はコンテスト自体は朝の9時から始り、15人の発表が1時間15分で終わるようになっています。そしてコンテストを始めた当時から100名を超える作文の応募があったそうです。昨年は102名の作文の応募がありました。
そしてこのような「スピーチコンテスト」は、このサイゴンでは英語やフランス語でのコンテストも、毎年同じように行われているということです。
ちなみに、この日本語スピーチコンテストの審査は作文を審査する一次審査と、スピーチ及び質疑応答をする二次審査と、発表当日の本選審査の三段階を経て、最終的に第一位から三位までと特別賞が決められます。そして第一位の人には日本行きの往復航空券が進呈されます。これは参加者にとっては大きな励みになるプレゼントでしょう。
今まで私は当日の表舞台を見て、彼らの素晴らしいスピーチを聞いて、その感動の余韻に浸りながら家路についていましたが、今年からは彼らの日本語で原稿に書いた作文の苦労を直接見たり、日本語での発表の修練の成果を事前に聞くことが出来るわけです。
そしてこの日運営するスタッフの人たちと一諸になって動きながら、今年もまた当日は一日中爽快な気分でこの行事を無事終えることが出来ればと、今から大きな期待を抱いています。
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