春さんのひとりごと
新年明けまして、おめでとうございます、と言いつつも新暦で祝う新年の正月は、このベトナムでは全然正月らしい雰囲気がしないのですよね。ここベトナムはやはり、旧暦のテト(今年は2月1日)が本当の正月ですね。
「世界中が新暦で正月を祝っているから、ベトナムも1月1日だけは付き合って、この日は休みにするか」くらいの軽い正月です。ベトナム人自身がそんなに浮かれているわけでもなく、ただ淡々と単なる休みとして1月1日は終ります。
ただ夜にみんなが街中をバイクで繰り出す時の交通渋滞はものすごく、これを見ると「やはり今日は正月だったな・・・」と思います。ベトナム人がバイクで街中を走り回るのは、外国とサツカーの試合に勝った時なども同じ行動パターンになりますので、要はみんなが一緒に騒ぐきっかけがあれば、バイクで街中に出て大渋滞になり、またそれを結構面白がるということです。
所で今年は日本は(もちろん中国も)未(ヒツジ)年ですが、このように一年を十二支で表わす言いかたは、やはり中国の影響を強く受けたベトナムも同じような風習を残しています。
ただ十二支の動物うちいくつかが、日本とは違っているのが面白いです。これは日本と中国も十二支は同じ動物なのか、同じ十二支といってもやはり、日本も本家の中国とはいくつかは違うのかどうかは分かりませんが、ベトナムと日本は実際いくつか違います。
まず日本で卯(ウサギ)年は、ベトナムではネコ年になり、丑(ウシ)年のウシは同じウシでも、ベトナムでは正確には水牛のこと。日本では何のウシでしょうか?赤ウシでしょうか。
そして今年の未(ヒツジ)年も、本来はあの毛のフサフサしたヒツジなのでしょうが、ベトナムではどういうわけかヤギに変わります。どうもいろいろ数人の日本語の達者なベトナム人に聞いて見るとヒツジとヤギを同じ動物だと思い込んでいる人が多いです。まあふだんヒツジを見たことが無ければ、ヒツジとヤギを混同しても無理はないのでしょうが。
そしてさらに日本と違うのはこの十二支の動物のうち、ベトナムでは食材になって出てくる動物の数が多いことでしょう。日本で食べるのは、この十二支の中では牛と馬と羊と鳥とイノシシくらいでしょうか。
ベトナムでは私もまだ馬と羊は食べていませんが(日本ではもちろん食べました)、ネズミとヘビとウサギと犬とヤギは食べました。ベトナム人はネコも食べます。といってもレストランではなく家でこっそりと。ネズミを食べるといっても、そのネズミは街中に住んでいるドブネズミではなく、メコンデルタの田園地帯で米を食べて大きくなったネズミです。
犬肉も特にハノイの犬肉料理は名物ですし、ヤギ肉もサイゴンでは路上のヤギ鍋屋さんがいつも多くのベトナム人のお客で賑わっていますので、よっぽどベトナム人も好きなのでしょう。私も大好きですが。
何もそういうものに手を出さなくても、ベトナムはふんだんに多くの種類の食材に恵まれた国なのですが、食材が豊かにある国ほど悪食に走るというのは事実かも知れません。いつかベトナムを訪れたみなさんを、是非ヤギ鍋屋さんにご招待しましょう。
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