春さんのひとりごと
<ベトナムの若き企業家たち>
先日日本から来た建設会社の人の紹介で、ベトナム人の大変若いビジネスマン2人に出会いました。
一人はGさん、今年38才。今彼は投資会社の社長をしています。彼はアメリカのフルブライト奨学生の試験に合格してアメリカに2年間留学。その間経営学をみっちり勉強してベトナムに帰りました。
そしてGさんはベトナムに帰国後自ら投資会社を設立して、外国企業からの投資を誘って、今現在一年間で約400億円ほどの金額を動かすほどの会社に成長させました。その多くは不動産投資です。
彼の話を聞いていると、ベトナムの政府要人ともかなり深い付き合いがある様子が会話の中から推測出来ました。
彼の英語力はといえば、普通のベトナム人が話すベトナム訛りの、日本人には大変聞きづらい英語とは違い、さすがに見事な英語の発音で会話してくれました。
もう一人の若きビジネスマンはVさんで、26才。彼は今年設計会社の若手社長としてスタートし始めたばかりです。彼は20才で日本に国費留学しました。そして奨学金を日本政府から月14万円ほどもらって、6年間の留学生活を日本で送りました。
Vさんは大阪外大で一年間日本語を勉強しました。その後大阪大学に5年間在籍して、今年ベトナムにようやく帰国したばかりです。
大阪大学では日本人の生徒たちと一緒に、日本語で授業を受けていたといいます。
彼自身とは今回が初対面でしたが、すばらしく流暢な日本語を話し、性格も大変明るく、明敏な印象を受けました。
彼の父は今ホーチミン市内にある大学の教授です。彼のその弟も同じように国費留学生として、今京都大学に留学しているといいますから、こういう家庭はベトナムの中でもエリートの家庭に属するほうでしょう。
彼は6年間の日本留学中に、たまたまベトナムから来たお客さんの通訳を頼まれたのが縁で、ある日本の大手建設会社の人と懇意になったそうです。
その日本人の人はしばらくVさんと付き合ううちに、Vさんの信頼出来る人格とその才能を見込んで、「ベトナムに帰ったら会社を作ってビジネスを始めてみないか?」と提案しました。そのための資金は日本側から提供することにして、今年の2月にベトナムで設計事務所を新しく立ち上げました。
その事務所を見せてもらいましたが、まだペンキの匂いがするような完成したばかりの新しい事務所でした。Vさんは、「まだコンピューターも、いろんな機材もこれから揃えないといけないのですが、第一の急務は人材の募集です。誰か日本語の出来るいい人を紹介して頂けませんか」と依頼して来ましたので、私も「いいですよ」と答えたことでした。
今アジアの中でも中国に次いで成長しているベトナムに、こういう新しい企業家が出現して来ているんだな〜と大変嬉しく思ったことでした。今後もこういう人たちが続々と出て、ベトナムで新しいビジネスを始めていくのだろうと思います。
そうなると、日本語や英語を今ベトナムで勉強している学生たちにも、学校で学んだ語学が活かせる仕事の場が広がって来ることでしょう。
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