春さんのひとりごと
いよいよ9月に入りましたね。ベトナムも今日から新学期で生徒が学校にまた通い始めています。日本も少しは涼しくなってきたことでしょう。
日本から来る人が日本は今年は異常気象だといっていましたが、ベトナムも8月中旬には中部、そして最近では南部が洪水に見まわれ、死者も出ています。こちらの洪水は日本とは違い、見渡す限り家の高さまで水が押し寄せて、みんなボートで行き来しています。こういう洪水ももとをたどれば、森林伐切が大いに関係しているのでしょう。
今こちらは9月1日〜15日まで約2週間お盆です。この期間にお寺にお参りに行くのは日本と同じような風習のようです。先日は奥さんのお姉さんの家に家族全員が集まり食事会がありました。こういう時に家族一同が集まって食事をするというのも日本と一緒ですね。
結婚するまでは、浅野さんと2人で全くベトナムの風習とは関係なく生きてきましたが(テトの時、指差し食堂が開いていなくて困ったな〜というくらいでしたが)、結婚するとベトナムの風習というのを家族との付き合いの中で、少しずつ学ばされて行きます。
この時出てくる料理も定番のメニューがあるようで、子豚の丸焼き一頭とニワトリの肉ということです。子豚はテレビで良くある、一頭まるまるを口から金串をお尻に突っ込んで、グルグル回して炭火で時間をかけてコンガリ焼き上げたのを、中華街のチョロンから買って来たそうです。一匹が250,000ドン(約2,500円くらい)ですから安くはありません。これを家で解体してみんなで食べます。皮のパリパリした所が案外美味しいですね。
こういうのを目の前にして、しげしげと見ると中国人の食に対する貪欲さに唸らざるをえません。この子豚チャンはわずか2ヶ月で人様の胃袋に入って、天寿を全うしてしまいましたが、さすがにその肉は柔らかいものです。
豚が大きくなるまで待ちきれずに早く食べてその美味しさに気づいたのか、色んな歳月を経た豚を食べ比べてより若い豚を求めるようになったのか、そのどちらなのかは良く分かりませんが、半年も生きられなかったその子豚チャンの小さな、可愛いらしく、香ばしい、ツルツルに光った頭をなでてあげたことでした。
こういう行事は、一年に何回か家族が集まり、食事をして酒を飲んで談笑し、お互いの近況を確かめ合う場になっているような感じですね。日本の我が家でも子供の時は盆・正月は家族全員が親戚の家に行き、また親戚が我が家に来て集まり、食事をしていた記憶がありますがいつのまにか消えていったようです。
ベトナムもいずれはそうなるのか、日本と違いこの風習はサイゴンのような都会でも続いていくのかどうかは知りませんが、こちらの家族がサイゴンに住んでいる限りは、少なくとも私が生きている間は続いていくことでしょう。
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