春さんのひとりごと
< 日本へ行く研修生たち >
今私が日本語を教えている教室の研修生たち30数名が、今月10月にいよいよ日本へ行きます。まだ日本語学習歴はみんな5ヶ月くらいです。しかしこの研修生たちの中には、長い人で1年半くらいの間、ずっと日本行きを待たされていた人もいます。
書類審査と、日本語能力の判定と、最後に日本側の受け入れ先の社長との面接を繰り返して、ようやく今回の30数名の日本行きが決まりました。彼等がこの日本行きのために人材派遣会社に保証金として預けた金額が、日本円にして150万円くらいといいますから、ベトナム人にとっては目をむくような高い金額です。
その費用を捻出するために、家族の今住んでいる家を担保にして銀行からお金を借りている家がほとんどでした。もっともこれは日本からベトナムに帰って来た段階で、日本行きに掛った費用と、滞在中に掛った経費を差し引いて本人に返却はされますが。
彼等が日本に行く場所は、愛知県、三重県、岐阜県と中部が多いです。期間は3年間ですから、2008年に帰国することになるわけです。全員がまだ20才初期の年齢の人たちばかりです。
生徒というのはどこの国でも同じで、日本で生徒たちに教えていた時と同じように、ベトナムでもやはりいろんな性格の生徒たちがいます。
いつも明るい生徒。おとなしい生徒。冗談ばかり飛ばす生徒。少し誉めると大喜びする生徒。少し叱ると、その日はずっとふさぎ込んでいる生徒。先のことをいろいろ心配する生徒。級長の役割を進んでする生徒などなど・・・。しかし総じてベトナムの若い人たちは快活で、大変明るい性格の人が多いです。
日本に行くのが決まった後の数週間は、日本語の勉強はもちろんのことですが、日本文化や習慣についても学習しました。
しかしやはり、実際に日本に行った後に戸惑うことが多いでしょう。
言葉の壁、文化の壁、習慣の違いなど、さまざまな問題に遭遇することでしょう。しかしまだ柔軟性のある若い人たちですから、そういうのをすぐ吸収して、さまざまな壁を乗り越えていってくれるものとは思います。私は以前のT君のように、日本での仕事中に、(大きな事故にだけには遭わないように・・・)と願っています。
「3年後に、全員また元気な姿で会おうね!」と一人一人と握手をして、教室を去って行く彼等を見送ったことでした。
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