「BAO(バオ)」というのはベトナム語で「新聞」という意味です。
「BAO読んだ?」とみんなが学校で話してくれるのが、ベトナムにいる私が一番嬉しいことです。
■ 今月のニュース 「欧米への労働者派遣、まだ狭き門」■
2005年度10月までに、世界に派遣されたベトナム人労働者の総数は、約57,000人(内女性が20,860人)に達した。そのうち台湾が20,735人、日本が2,460人、韓国が8,350人、マレーシアが19,521人、ラオスが5,600人で、その他の外国は680人でしかない。
最近多くの人材派遣会社が新しい労働者派遣の候補地として、アメリカ・イタリア・カナダなどの国での労働契約内容について通知している。
それによると、一ヶ月の収入や待遇面においてはるかに今までの他の国よりも魅力的なものとなっている。例えば、特に今熟練工でなくても、研修費用や飛行機の切符代は免除されることになっている。特に労働者が外国で働く場合に心配なのは、“食事”の問題が一番大きいが、その点でも当地で満足出来る待遇が受けられるという。
しかし外国労働管理局の市場開拓部の責任者の言によると、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イタリアなどの国は、これらの国でベトナム人が働くには入国手続きと法律の面で大変難しいという。
特にアメリカとカナダでは看護婦の需要が高いが、その職種で働くには高い能力が労働者に要求される。その能力とは、香港かタイで行われる国際標準の看護婦の試験に合格し、看護婦の経験が1〜2年あり、なおかつTOEFLの試験で540点以上に達していることなどである。
それらの条件を満たすには高い壁があるが、それを乗り越えると当地では一ヶ月1,200〜1,500ドルの収入が得られるだろうという。
(解説)
ベトナム人労働者の海外派遣は、ベトナム国にとってベト僑(海外に住んでいるベトナム人)の海外からの送金と並んで、貴重な外貨をもたらしてくれるものとして高く評価されています。
それが今現在は主に台湾・日本・韓国に多く労働者が派遣されていますが、今後は欧米にも進出していく方向で外国労働管理局も考えて来ているということです。
また人材派遣会社にとって一番頭の痛い問題は、ベトナム人労働者の“逃亡・失踪”です。必ず毎年何人かが仕事先から逃亡して行方不明になるといいます。そうなると次の年から、その人材派遣会社は厳しい審査を下されて、次の労働者の派遣にも大きく影響してくるからです。
私自身も実際に日本に労働にこれから行く人、すでに3年の労働を終えてベトナムに帰って来た人を知っていますが、やはり異国では様々な苦労を重ねているようです。ついこの間日本に行ったベトナム人研修生のことを、(今ごろみんな元気にしているだろうか?)と、ふっと思い出すこともあります。
その彼等と別れる時には、「3年間しっかり頑張って、無事ベトナムに帰って来いよ!」という言葉を贈るだけでした。
|